その「ふらつき」、本当に血液のせい? 知っておきたい「貧血」と「立ちくらみ」の違い
その「ふらつき」、本当に血液のせい? 知っておきたい「貧血」と「立ちくらみ」の違い
「急に立ち上がった時に目の前が暗くなる」「クラッとする」……こうした症状を、私たちはつい「貧血かな?」と一括りにしてしまいがちです。しかし、実はそこには**「血液の質」の問題と、「血流のコントロール」の問題**という大きな違いがあります。
1. 多くの人が混同する「立ちくらみ」の正体
急に立った時に起こる立ちくらみの多くは、医学的には「起立性低血圧」や、俗に**「脳貧血」**と呼ばれる状態です。
これは、血液そのものが薄くなっているのではなく、**「一時的に脳に届く血液の量が減ってしまうこと」**が原因です。
通常、人が立ち上がると自律神経が働き、下半身の血管を収縮させて血液を上半身(脳)へと押し上げます。しかし、自律神経の乱れや筋力の不足などがあると、血液を上げる力が追いつかず、脳への血流が一瞬途絶えてしまいます。
「血液(量)は足りているけれど、必要な場所(脳)に届いていない」という、いわば循環のトラブルです。
2. 本来の「貧血」は血液の成分に問題がある
一方で、一般的に病気として語られる「貧血」は、血液中のヘモグロビンが減少している**「血液の質」の問題**です。
これには、生活習慣が関わるものから、深刻な病気が隠れているものまで、いくつかの種類があります。
- 鉄欠乏性貧血:若い女性に最も多く、ダイエットや偏食、月経による鉄分不足が原因です。
- 再生不良性貧血:血液を造る工場(骨髄)そのものの機能が落ちてしまう難病です。
- 巨赤芽球性貧血:ビタミン不足により、赤血球が正常に成長できない状態です。
- 溶血性貧血:自分の赤血球が血管の中で壊されてしまう、非常に恐ろしい症状を伴うものです。
これらは、座っていても寝ていても、血液そのものが酸素を運ぶ力を失っている状態を指します。
まとめ:どちらも「酸欠」であることは同じ
「血流のせいで脳に届かない」立ちくらみ。
「血液そのものが酸素を運べない」貧血。
原因は違いますが、実はこれらの症状には決定的な共通点があります。
ご自身の体が発しているサインを正しく読み解くために、次回はその「共通すること」について詳しくご紹介いたします。