「病気を一度もしたことの無い元気」だった方へ。70数歳の春、体が発している「沈黙のサイン」を読み解く
「病気を一度もしたことの無い元気」だった方へ。70数歳の春、体が発している「沈黙のサイン」を読み解く

はじめに
これまで大きな病気もせず、健康に自信を持って過ごしてこられた方ほど、突然の体調の変化に戸惑われるものです。昨日、当院に来られた70数歳の方もそうでした。「今までこれ程体調が良くならないの?おかしくなることが一度も無かったのに…..。なぜ急に……。」と、ご自身の体の変化をなかなか受け入れられないご様子でした。

しかし、昨年の熱中症、そして「立っていられないほどのしんどさ」は、体が命を守るために出している切実なSOSです。

「自覚のない冷え」と「固まった肩甲骨」の正体

お体を拝見すると、肩甲骨周辺はガチガチに固着し、いわゆる「巻き肩(前肩)」の状態でした。
- 血流の渋滞:
肩が前に出ることで胸部や脇の血管が圧迫され、手先への血流が阻害されます。そのため、上半身、背中の固着で非常にしんどくなったのでしょう。呼吸も浅いようでした。 - 足の痛みと冷え:
ご本人は「冷えている(血行が悪い)」という自覚がありませんが、足の血行が悪く、触れると痛みを感じる状態は、末梢まで血液が循環していない証拠です。

「自分は冷えていない(血行が悪いと思っていない)」と感じるのは、実は深部体温の調節機能が低下している可能性があります。

熱中症の自覚がないまま血管が収縮し、体内の熱をうまく逃がせなくなっているため、熱中症を引き起こしやすくなっているのです。
なぜ「2026年の春」が危険なのか
70数歳という年齢は、筋肉量や血管の弾力性が変化する大きな転換期です。特に春先は寒暖差が激しく、長年積み重なった「肩甲骨の固着」が限界を迎え、呼吸や血流をさらに悪化させています。
これまで健康だったからこそ、「自分は大丈夫」という思い込みが、休息のタイミングを遅らせてしまいます。このまま放置すると、さらに深刻な事態を招きかねません。
未来の健康を守るために

今、必要なのは「昔の自分」と比較することではなく、「今の自分の体」の声を聞くことです。
- 肩甲骨を解放する: 固着した筋肉を緩め、上半身の血流を再開させること。
- 血行を整える: 足先の痛みが取れるまで、丁寧に循環を促すこと。
- 意識を変える: 「冷え」や「コリ」を認め、ケアを取り入れること。

「まだやれる」という気力が、時に体の回復を妨げてしまうことがあります。今のしんどさは、これからも元気に過ごしていくための「メンテナンス期間」が必要だという、体からのメッセージです。

命を落としかねない熱中症を経験された今こそ、ご自身の体と真剣に向き合ってみませんか?
結びに

当院では、単に筋肉をほぐすだけでなく、ご本人が納得して治療に取り組めるよう、丁寧な説明を心がけています。もし、ご家族や身近な方で「自分は大丈夫だ」と言い張って無理をされている方がいれば、ぜひ一度ご相談ください。